【想いをつなげる相続対策】
不動産オーナー様にとって悩ましい問題
相続税の支払いには、どのような準備が必要か
多くの不動産を所有されているオーナー様にとって相続が発生し、その後の相続税の支払いをどのように準備しておくのか、とても悩ましい問題です。今回は相続税の支払いについてお話します。
■相続税の支払い
相続税は原則、「相続発生から10ヵ月以内に」「現金で」「一括納付」しなければなりません。先祖代々農地や駐車場を引き継いでいる地主家系のオーナー様は、所有財産の大半を不動産が占めることも多く、相続税の支払いに備えるだけの金融資産がない場合も少なくありません。しかしながらどんな事情があるにせよ、何とかして期間内には相続税を納めないといけません。
■相続税が支払えない場合の対応方法
期間内に相続税が支払えない場合に取り得る方法は、次の4つがあります。
①財産(不動産)を売却して現金化する
②金融機関から借り入れをする
③延納制度を利用する
④物納で納税する
それぞれの方法について見ていきたいと思います。
■相続財産を売却し現金化する
相続税発生後に納税資金を確保するために、広く行われている方法のひとつです。相続した不動産を売却、現金化した上でそれを納税資金に充てます。売却する不動産にもよりますが、一度に多くの資金を準備することができ、十分に納税することが可能になります。
一方で、納税期限に間に合わせるためには、相続発生から10か月以内に確実に売却しなければなりません。売却がたやすい不動産もあると思いますが、立地や地形あるいは権利関係(例えば抵当権や賃借権など)などの条件により希望する金額では売却できす、結果安く売らざるを得ない可能性や、そもそも売却が間に合わない場合もあります。
また、不動産は亡くなった方(被相続人)の名義のままでは売却することができず、相続での所有権の移転登記をする必要があります。遺言書があれば、その内容にしたがって相続登記をすることができます。しかし遺言書がない場合、相続人全員の話し合い(遺産分割協議)を行って相続人を決めて相続登記をしなければなりません。この場合話し合い(遺産分割協議)が纏まらなければ相続登記が出来ず、不動産を売却することができません。売却・現金化は手法としては一番シンプルですが、所有不動産の個々の事情を十分考慮しておく必要があります。
■金融機関から借り入れをする
この方法も納税資金の確保のために多く使われています。一般的に相続した不動産を担保として、金融機関から融資を受けて納税資金に充当します。売却と同様に一度に多くの資金を準備することが可能ですが、いくつか注意しておくポイントがあります。
まず金融機関から融資を受けられるかどうかは、相続人や不動産の内容等が個別に検討されることになるため、融資が下りないこともあります。また融資を受けることができた場合においても、融資期間が短く毎月の返済金額が高くなったりして、その後の経済的負担が増えることもあります。その他にも融資の金利が高くなる、相続不動産以外に担保の提供(共同担保)を求められる、連帯保証人の付帯が条件になるなどの条件が付く場合があります。
いずれにせよ金融機関からの借り入れには、いくつものハードルがあり、事前に金融機関と打合せをしておく準備も必要です。
■延納制度を利用する
延納とは、相続税を分割して支払う制度のことを言います。この制度を利用すると、相続税は一度に支払う必要がなくなるため、全額を一度に支払うことに比べると経済的負担が少なくなります。また相続した不動産などの資産を売却しなくてよくなります。
但し延納制度を利用すると、支払い期間中は借り入れの利息にあたる「利子税」が発生します。その為払い終えたときの相続税の総額はかなり増加しますし、延納する税額に応じた担保の提供を求められます。もし支払いを滞納すると、担保提供した不動産を失う場合もあります。
延納をするには、相続開始から10か月以内に税務署に延納制度利用の申請をし、承認を受けなければなりません。
■物納で納税する
物納とは、相続税を不動産などの「物」で納めることを言います。誰でも使える制度ではなく、延納制度でも現金での支払いが難しい場合に申請することができます。
以前はよく使われていましたが、現在は申請の要件が非常に厳しく、ほとんど使用されていません。
例えば物納する不動産に抵当権がついていたり、境界が確定していなかったりすると物納で受け取ってくれません。
以上、代表的な4つの方法についてお話しました。実際には①資産の売却、②金融機関からの借入を選択するケースがほとんどです。
いずれにしても10か月以内に対応しなければならず、ハードルが高いのは事実です。その為、最近は相続発生後に対応するのではなく、生前に被相続人自らが対策を講じる方も増えています。
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皆様のご参加、お待ちしております。
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