成約データから見る松山の事業用賃貸市場動向
当社が2025年7月から12月までの間に取り扱った事業用賃貸の成約データ(計46件)をもとに、現在の松山で動きのある業種や、その賃料水準の傾向をまとめました。これらを業種別に分類すると、業態ごとに一定の傾向が見えてきます。
最も多かったのは事務所用途で、全体の約41%(19件)を占めました。次いで飲食業が約15%(7件)、トランクルーム・倉庫系が約11%(5件)、美容室などのサービス業が約7%(3件)となりました。また、福祉関連事業所やBAR、整体などのその他用途も、それぞれ数%ずつ見られ、用途の幅広さも特徴といえます。
次に、賃料水準を業種別に見た際の特徴についてご紹介します。
最も件数の多かった事務所用途は、賃料の幅が広く、月額3万円台から15万円前後まで分布しています。来店型ではないため、立地条件よりもコストを重視する傾向があり、比較的改装の必要が少ない物件が選ばれています。
飲食業では、月額5万円台から15万円超の物件が中心で、居抜き物件への問い合わせが早いことが特徴です。飲食店が退去する際には、厨房機器を撤去し、内装は残した状態で募集することで、次の成約につながりやすくなります。
美容室などのサービス業は件数こそ多くありませんが、賃料は月額10万円前後に集中しています。居抜きへのこだわりは飲食ほど強くなく、2階以上の物件でも成立しやすい点が特徴です。広さや規模に合った駐車場台数が重視され、内装投資が大きい分、長期入居につながりやすい業態といえます。
一方、トランクルームは月額1万円以下から3万円程度と賃料水準は低めですが、長期利用になりやすく、空室リスクを抑えられるメリットがあります。倉庫については、月額15万円〜20万円前後の物件で動きが見られました。
このように、取扱件数の構成比と賃料水準をあわせて見ることで、「どの業種を想定して募集するか」が賃料設定や運用に大きく影響してくることが分かります。今後は立地条件に加え、業種特性を意識した募集や賃料改定を行うことで、より早期の成約や安定した運用につながると考えられます。