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【成年後見制度の大転換】 今までその利用に高いハードルがあった成年後見制度がどのように改正されるのか?

2026.09.03

令和8年6月17日、「民法等の一部を改正する法律」(成年後見及び遺言制度の見直し)が成立し、同年6月24日に公布されました。民法等改正法は、成年後見制度における「後見」及び「保佐」の制度を廃止して「補助」の制度に一本化することや、遺言制度において、電子データ等での作成及び法務局での保管などの内容が盛り込まれています。今回はこの後見制度の改正点について、お話しさせていただきます。

 

■改正の背景

 なぜ今回大きな改正が行われるのか、その背景には実際に後見制度が使いづらい「3つの障壁」がありました。

①「一生涯継続する」という期間の障壁

 現在の後見制度は、一度後見が開始されると、本人の「事理弁識能力」(物事の判断能力)が回復しない限り原則やめることができません。つまり実質的に本人が亡くなるまで、やめることができないという障壁です。

②「経済的負担が続く」というコストの障壁

 法定後見において、多くの場合は法定後見人に専門家(弁護士など)が選任されます。法定後見の場合は法定後見人に対して、任意後見の場合は任意後見監督人に対して、本人の保有資産額を基準として報酬がかかります。この報酬が一生涯継続するという障壁です。

③「本人が自分で決める権利が制約される」という障壁

 後見制度においては、財産の処分の権限や通帳・実印の保管など後見人に包括的な代理権が与えられます。そのため成年後見人等が本人の意向を十分に把握することなく事務が行われ、本人の自己決定が尊重されないという障壁があります。

 

改正の主な4つのポイント

①後見・保佐の制度を廃止し、補助の制度(本人に必要な事項について、代理権・取消権を付与する。)が新設されます。

 現行の制度は本人の事理弁識能力の程度によって3段階(補助・保佐・後見)に分かれています。 

 改正後は補助で一本化され、その名称も「補助制度」で統一されます。

 ただし、未成年に対する後見制度は継続されます。

②後見人の交代が認められやすくなる。

 現行の制度では、後見人に健康上の理由があるなどの客観的な理由がないと辞任は認められず、また家庭裁判所も後見人に著しい不正がある場合などを除き解任は行いませんでした。

 新制度では、家庭裁判所は本人の利益のために特に必要があるときは、補助人を解任することができる事となっています。例えば補助人が遠方に引っ越したり、あるいは補助人に不正がなくても補助人 と本人との信頼関係が悪化した時などが考えられます。

③新制度(補助制度)は途中でやめることができるようになります。

 現行の後見制度は前述のように、本人が亡くなるまでやめることができませんでした。新制度(補助制度)では、本人の事理弁識能力が回復していない場合でも、制度利用の必要がなくなったと家庭裁判所が認めるときは、申立て又は職権により制度利用を終了することが可能となります。

 例えば、施設に入居する費用を捻出する為に後見制度を使って自宅を売却した場合、自宅の売却が終了した場合でも、一生涯後見制度を使わなければなりませんでした。

 新制度(補助制度)では、自宅の売却が終了しその後、補助制度が必要なければやめることもできる

 ようになります。

 生涯払い続けて、本人の資産を減少させ続けていた法定後見人(専門家)への報酬の支払いも、目的達成により終了させることができるようになります。

④法定後見人に対する報酬基準の見直し

 現行では本人の資力・資産だけを基準に算定されています。本人の資産が1,000~5,000万円の場合、おおよそ年間30~50万円かかります。

 改正後は、家庭裁判所が報酬を決定する際、補助人が行った事務内容等が報酬の考慮要素であることが明確化されます。どのような事務をどれだけ行ったかが、報酬の基準にもなっていきます。

 

新制度下で考えられる活用方法

 では新制度において、どのような活用方法があるのでしょうか。

まず第一にスポット的な利用が考えられます。「遺産分割の話し合いが終了するまで」とか「自宅の売却が終了するまで」といった目的と期間を決めて申立てをすることができるようになります。

目的と期間を事前に決めておくことができれば、今まで必要になっていた一生涯にかかる法定後見人の報酬が不要となります。

 また現状において、家庭裁判所は「事理弁識能力」の有無・程度で後見の必要性の審査をしています。新制度では「目的のために、現実的に後見人の権限が必要かどうか」という基準で個別案件として審査することになります。

 次に後見人の変更や終了ができるようになります。現制度では、「重大な不正」がない限り後見人の変更が困難でしたが、今後は本人と十分な面談をしていない場合や本人の意向とは異なる財産管理してる場合など、変更や終了ができる規定も設定されます。このように、後見制度が使いやすくなることが想定されます。

 

任意後見制度も使いやすくなる

 本人が元気なうちに後見人を決めておく任意後見制度も改正されます。任意後見制度において、現行では任意後見監督人が選任されて、後見業務がスタートします。この際に任意後見監督人にも報酬が必要となり、本人などに経済的負担が生じます。新制度では、家庭裁判所が明らかに任意後見監督人による監督の必要がないと認める場合は、任意後見監督人を選任せず、家庭裁判所が直接監督することができます。これにより経済的負担が軽減されます。

 

なお、新制度のスタート(施行)は、公布から2年6カ月以内(遅くとも令和10年12月頃まで)に政令で定められる予定です。

 

いずれにしても、後見制度については単独の利用だけでなく、他の制度との組合せで財産を管理をしていく方法もあります。「旧後見制度・新補助制度」の内容について詳しくお知りになりたい方は、お気軽にお問合せください。

 

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満室レシピ スタッフ

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創業40年以上の総合不動産である「日本エイジェント」 管理戸数17,000戸以上で愛媛県No1シェア!※ 全国的にも空室率の高い愛媛県にて、多くのオーナー様を満室運営に導いたノウハウを満室レシピにて特別に公開中。 ※全国賃貸住宅新聞 管理戸数ランキング2025より

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